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相続相談の現場から

相続対策には一時払終身保険がおすすめ

セミナーで相続における生命保険の魅力をお話したときに、生命保険の活用方法の一例として一時払終身保険を紹介することがあります。

あまり知られていないのか、興味を持ってくれる人が結構多いのです。

そこで、一時払終身保険の魅力について紹介します。

一時払終身保険とは

一時払終身保険とは、保険料全額を一括で支払い、亡くなったら死亡保険金が支払われ、保障期間が一生涯続くという保険です。

死亡保険金は、一定期間経過後、一時払保険料を上回ります。

つまり、支払ったお金以上のお金が受け取れるということです。

もし、保障期間の途中で解約したら解約返戻金を受け取ることができます。

解約返戻金は期間の経過とともに増加していきます。

生命保険なので加入時に健康告知が必要になります(医師の診査が必要な場合もあり)が、不要とする商品もあります。

保険料全額を一括で支払うため、高額な資産を一度に移転させることができることから、相続対策によく活用されています。

特に高齢者には持病のある人が多いので、健康告知が不要というのは使い勝手がいいですね。

おすすめする理由

ここでは一時払終身保険の特徴から見たものとし、生命保険一般の特徴から見たものは除きます。

✅ 相続財産の評価額を減らせる

保険料全額を一括で支払うため、相続財産から高額な現金を一度に減らすことができます。

受け取る死亡保険金には、所定の要件を満たせば一定額まで非課税になる特典があります。

「500万円×法定相続人の数」までの金額です。

例えば、相続人が妻と子2人の3人で、受け取った死亡保険金が1,500万円とします。

非課税額は500万円×3人=1,500万円なので、1,500万円-1,500万円=0となり、死亡保険金を1,500万円受け取っても、相続税の課税対象額は0円となります。

つまり、1,500万円ほどの現金(一時払終身保険の場合、保険料と保険金はほぼ同額)を相続財産から減らすことができるわけです。

課税対象となる財産額が相続税額計算上の基礎控除額を少し上回っている場合には、非課税の特典を活用することで財産額を圧縮し、相続税がかからないようにすることができます。

ただし、この非課税の特典を適用するためには契約形態に制限があり、また他のすべての死亡保険金と合算して、この金額までが非課税となることに注意が必要です。

この非課税額が適用されずに残っているのであれば、活用しなければもったいないということになります。

✅ 解約返戻金を自分のために使うことができる

相続対策の目的で一時払終身保険に加入しても、その後自分で使う資金が必要になることも考えられます。

高額な保険料を支払っているため、手元からはかなりの現金が流失しています。

急に資金が必要になったときに、一時払終身保険に加入したことを後悔することがあるかもしれません。

一時払終身保険の解約返戻金は期間の経過とともに増加していく貯蓄効果もあります。

もし緊急に資金が必要になった場合でも、一部を解約するなどして危機を脱出することができます。

このように、一時払終身保険は、もしものときには自分のために使うこともできるのです。

加入にあたっての注意点

おすすめはしたものの、加入にあたり注意してほしいこともありますので、確認しておいてください。

●保険料を一括で支払うため、手元の資金が減り資産の流動性が落ちる

 相続対策は大切なことですが、生活資金も大切です。

 相続対策を行ったために、日々の暮らしが苦しくなるのは避けたいことです。

 加入にあたっては、生活資金も考慮したうえでの判断が必要です。

●短期間で解約をすると解約返戻金が保険料の金額を下回り、元本割れするリスクがある

 解約返戻金は期間の経過とともに増加していくのですが、契約してから短期間で解約をすると元本割れする可能性があります。

 これは契約時に保険契約に関する諸経費が差し引かれるためです。

 加入する前に、元本割れをしない時期を必ず確認してください。

●健康状態により加入できないことがある

 健康告知を不要とする商品が多いですが、必要とする商品もあります。

 当然のことながら、他の生命保険と同様、余命宣告を受けていたり、入院中は加入することはできません。

 死期が迫っているからと、強引に一時払終身保険で財産の移転を行うのは難しいでしょう。

●契約形態によっては贈与とみなされる

 贈与税は相続税よりも税負担が重いです。

 例えば、契約者:父 被保険者:母 死亡保険金受取人:子 のような契約形態では贈与税が課税されてしまいます。

 相続税の課税対象とするためには、契約者:父 被保険者:父 死亡保険金受取人:子 のような契約形態にする必要があります。

2026.11.6.