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相続

【相続対策事例11】二次相続まで見据えた分割対策

Iさん(80代)が亡くなりました。

Iさんの相続人は妻と長男と次男でした。

Iさんの遺産は自宅と金融資産で、あわせて1億円ほどでした。

妻は長男と次男を集めて家族会議を開き、Iさんの遺産をどのように分割するか協議を行いました。

結論として、節税対策を最優先することにしました。

すべての遺産を妻に相続させ、相続税の「配偶者の税額軽減の特例」を適用して、相続税の負担をゼロにすることにしました。

その後、税金の面ではこれで良いかもしれないが、長男と次男には引き継ぐ遺産がまったくなく、本当にこれで良いのか不安になりました。

長男がいろいろと調べたところ、相続は一次相続だけでなく、二次相続まで含めて考えなければならないことがわかりました。

そこで相続にくわしいFPに相談してみました。

「一次相続でお母様がすべての遺産を相続すると、お母様が亡くなったときの二次相続で『相続税の負担がかなり重くなること』『子ども同士の遺産分割争いが起きやすい』」

FPからはこのように助言されました。

FPからのサポートを受けながら、1次相続においては、妻:6,000万円 子2人:各2,000万円という遺産分割設計を行いました。

この遺産分割設計と、1次相続で妻がIさんのすべての遺産1億円を相続した場合との相続税シミュレーションを行い、比較してみました。

その結果、一次相続と二次相続をあわせて考えた場合、見直し後の遺産分割方針の方が、節税効果があることがわかりました。

遺産分割方針が明確であり、争族を回避することができたため、家族間での合意形成を事前に完了させることができました。

👉 ポイント

遺産分割は「一次相続だけ」で考えるのは危険です。

二次相続まで設計することが本当の相続対策です。

2026.3.29.

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相続

【相続対策事例10】子ども間の不公平感を防ぐ遺言対策

Hさん(80代)の相続人は長男と次男の2人でした。

長男はこれまで10年間、Hさんと同居して、Hさんの介護を担当してきました。

一方、次男は遠方の都会で暮らし、Hさんの介護は長男にまかせっきりでした。

Hさんは80歳を過ぎ、自分の相続について考え始めました。

Hさんには「長い間ずっと自分の介護をしてくれた長男に多く残したい」という想いがありました。

Hさんの財産は預金3,000万円でした。

Hさんは、相談した友人から「遺言書が無い場合、遺産の分割は法定相続分となり、1/2ずつとなる」と聞き、これでは不公平感が発生してしまうと不安になりました。

そこでHさんは、友人から相続にくわしいFPを紹介してもらい、相談することにしました。

相談したFPからは、遺言書の作成をすすめられ、早速実行することにしました。

FPからは、遺言書には「公正証書遺言書」と「自筆証書遺言書」があること、それぞれの遺言書のメリットとデメリットを説明してもらいました。

検討した結果、Hさんは公正証書遺言書を選びました。

遺産分割の割合は、長男:70%、次男:30%とすることにしました。

Hさんは家族会議を開き、自分の遺産分割に関する想いを長男と次男に説明し、納得してもらいました。

HさんはFPの支援を受けながら、これらの内容および付言事項で「介護への感謝」を明記した公正証書遺言書を作成しました。

何年か過ぎてHさんが亡くなり、相続が発生しました。

Hさんは公正証書遺言書を作成していたため、これに沿って遺産分割が行われました。

遺言書の内容については、家族会議で長男と次男から了承を得ていたため、遺産分割協議をすることなく、相続の手続きが円滑に完了しました。

 👉 ポイント

遺言書の付言事項は、心理的トラブル防止に非常に有効です。

金額以上に「親の意思」が争いを防いでくれます。

2026.3.23.

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相続

【相続対策事例9】自宅しか財産がない

Gさん(70代男性)の相続人は長男と長女の2人でした。

長男はGさんと同居していました。

Gさんの財産は、自宅(土地建物)が3,000万円と預金が300万円ほどでした。

Gさんが自分の相続のことを考え始めると、長男は「このままこの家に住み続けたい」と主張し、長女は「自宅を売って平等に分けてほしい」と主張し、対立が発生してしまいました。

Gさんは2人の言い分を聞き、自宅は「分けられない財産(不動産)」なので、このままでは公平な遺産分割が難しいと頭を悩ませていました。

Gさんとしても、なるべくなら自宅を売りたくないという気持ちがありました。

Gさんは、以前参加した相続セミナーで名刺をもらっていたFPのことを思い出し、早速相談しました。

FPからは生命保険を活用した代償分割を提案され、Gさんはこの提案を実行することにしました。

まず、現在加入している生命保険の死亡保険金受取人をすべて長男に変更しました。

長男はGさんのすべての財産を一旦受け取り、その中から代償交付金として長女に相当額を渡し、自宅は長男が相続することにしました。

Gさんは、自分の財産の分割方法について長男と長女に説明し、了解を得ました。

Gさんは遺言書を作成して、これらの内容を記し、付言事項で分割理由を明記しました。

しばらくしてからGさんの相続が発生し、遺言書にしたがって遺産分割が行われました。

長男は自宅を相続し、長女は長男から代償交付金を受け、長男・長女間での大きな争いを生じることなく解決しました。

👉 ポイント

生命保険は「遺産分割対策の最強ツール」です。

現金を準備できるため、代償分割が可能になります。

2026.3.13.