〈事 例〉
父親(80歳)の遺産である自宅と別荘の土地と建物を、長男と次男が2分の1ずつ共有で相続しました。
土地の名義を長男が1/2、次男が1/2、同様に建物の名義も長男が1/2、次男が1/2にしたということです。
当初は「兄弟だから特に問題はない」と考えていましたが、数年後、長男が別荘を売却したいと考えるようになりました。
長男は、まだしばらくかかる子どもの教育資金と自身の老後生活資金を確保したいという想いがありました。
ところが、次男は売却に反対しました。
別荘の土地、建物とも所有権の1/2は次男にあります。
長男はサラリーマンですが、次男は会社経営をしており、会社の業績も順調で、長男ほど資金繰りに困っていませんでした。
兄弟で話し合いを行いましたが合意が得られず、別荘の土地も建物も処分できなくなってしまいました。
〈対 策〉
✅父親の生前に、自宅と別荘を相続により引き継いだ後の利用方法について、長男および次男それぞれの希望を確認し、共有名義を避ける方向で遺産分割方法を検討する
例えば、長男が自宅を相続し、次男は別荘と預貯金とその他の資産を相続し、不足する分については、長男から生命保険金を活用した代償金の交付を受ける など
✅家族間で話し合った遺産分割方法を遺言書に書いておく
〈ポイント解説〉
不動産の共有名義は、相続時には公平に見えても、将来の売却・管理・修繕などで問題になる可能性がとても高いです。
そのため不動産の共有名義は、極力さけなければなりません。
今はどんなに仲の良い兄弟であっても、将来のことはわかりません。
不動産を売却できるのであれば売却資金を1/2ずつ分けることができますが、そう簡単にはいきません。
相続において不動産はいつも問題児です。
そのため、不動産は誰が引き継ぐのかをあらかじめ決めておくことが円満な相続には必要となります。
不動産以外の預貯金や他の財産を相続させることに併せて、生命保険金を活用した代償分割を行い、兄弟でもめない相続のかたちについて、家族間でしっかりと話し合っておくことが大切です。
なお、生命保険金は受取人固有の財産です。
生命保険金の受取人を誰にするかについては注意が必要です。
そして、家族間で合意形成した内容について遺言書にのこすことで、多くの場合トラブルを防ぐことができます。
2026.9.18.