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相続

【相続対策事例13】再婚家庭の場合の事前対策

Kさん(70代)は再婚しており、相続人は前妻の子と後妻の2人でした。

Kさんの所有する財産は合計で約6,000万円でした。

相続はまだ先のことと考えていましたが、雑誌を読んでいて、再婚家庭の場合、何の対策もしていないと、争い事になる確率が高いということを知りました。

そこで相続にくわしい友人(FP)に相談しました。

Kさんからの相談内容を聞いたFPから以下のようなアドバイスがありました。

・遺言書を作成して財産の配分を明確にしておく必要があること

・家族間での意思疎通を図るべく家族会議を実施すべきこと

・家族会議の実施にあたっては、税理士や弁護士などの専門家に同席してもらうことが望ましいこと

KさんはFPからのアドバイスにもとづき、まずはFPにも同席してもらい、相続人となる前妻の子と後妻を集めて家族会議を実施し、相続における意思の疎通を図りました。

その後、FPと弁護士を交えて、2人の相続人同席のもと、遺言書を作成しました。

なお、遺言書は法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用しました。

このような相続対策を実施したことにより、Kさんの相続発生後には遺産分割協議でもめることなく、スムーズに相続の手続きを完了させることができました。

👉 ポイント

遺産分割でもめる原因の9割は「事前準備不足」です。

特に重要な対策は以下の3つです。

・遺言書の作成

・代償資金(生命保険)の準備

・家族への事前共有

相続対策は節税だけではありません。

むしろ「円満な遺産分割の設計」こそ、最も重要な相続対策です。

2026.5.4.

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相続

【相続対策事例12】共有名義を回避した遺産分割対策

Jさん(70代)は賃貸アパート(推定評価額8,000万円)を所有していました。

Jさんの相続人は長男・長女・次男の3人でした。

Jさんは、この賃貸アパートについては、長男・長女・次男3人の共有名義で相続することを望んでいました。

Jさんは、そろそろ自分の相続対策を真剣に考える時期になったとして、相続にくわしいFPに相談しました。

FPはJさんにヒアリングをして現状を把握しました。

賃貸アパートの共同名義については、FPから以下のような意見がありました。

・共有名義は将来ほぼ確実に揉めること

・売却が難しいこと

・アパート修繕の意思決定が困難であること

・次世代で権利関係が複雑化すること

JさんはFPからの助言を受けて、以下のような相続対策を実施しました。

・長男には、賃貸アパートを単独で相続させる

・長女と次男には、預金と代償金で調整してもらう

この相続対策により、賃貸アパートを含めたすべての資産管理がスムーズになり、将来の争いリスクを大幅に削減することができました。

👉 ポイント

不動産の共有は「争族の火種」になりやすいため、可能な限り単独相続+代償分割が望ましいです。

2026.4.15.

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相続

【相続対策事例11】二次相続まで見据えた分割対策

Iさん(80代)が亡くなりました。

Iさんの相続人は妻と長男と次男でした。

Iさんの遺産は自宅と金融資産で、あわせて1億円ほどでした。

妻は長男と次男を集めて家族会議を開き、Iさんの遺産をどのように分割するか協議を行いました。

結論として、節税対策を最優先することにしました。

すべての遺産を妻に相続させ、相続税の「配偶者の税額軽減の特例」を適用して、相続税の負担をゼロにすることにしました。

その後、税金の面ではこれで良いかもしれないが、長男と次男には引き継ぐ遺産がまったくなく、本当にこれで良いのか不安になりました。

長男がいろいろと調べたところ、相続は一次相続だけでなく、二次相続まで含めて考えなければならないことがわかりました。

そこで相続にくわしいFPに相談してみました。

「一次相続でお母様がすべての遺産を相続すると、お母様が亡くなったときの二次相続で『相続税の負担がかなり重くなること』『子ども同士の遺産分割争いが起きやすい』」

FPからはこのように助言されました。

FPからのサポートを受けながら、1次相続においては、妻:6,000万円 子2人:各2,000万円という遺産分割設計を行いました。

この遺産分割設計と、1次相続で妻がIさんのすべての遺産1億円を相続した場合との相続税シミュレーションを行い、比較してみました。

その結果、一次相続と二次相続をあわせて考えた場合、見直し後の遺産分割方針の方が、節税効果があることがわかりました。

遺産分割方針が明確であり、争族を回避することができたため、家族間での合意形成を事前に完了させることができました。

👉 ポイント

遺産分割は「一次相続だけ」で考えるのは危険です。

二次相続まで設計することが本当の相続対策です。

2026.3.29.

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相続

【相続対策事例10】子ども間の不公平感を防ぐ遺言対策

Hさん(80代)の相続人は長男と次男の2人でした。

長男はこれまで10年間、Hさんと同居して、Hさんの介護を担当してきました。

一方、次男は遠方の都会で暮らし、Hさんの介護は長男にまかせっきりでした。

Hさんは80歳を過ぎ、自分の相続について考え始めました。

Hさんには「長い間ずっと自分の介護をしてくれた長男に多く残したい」という想いがありました。

Hさんの財産は預金3,000万円でした。

Hさんは、相談した友人から「遺言書が無い場合、遺産の分割は法定相続分となり、1/2ずつとなる」と聞き、これでは不公平感が発生してしまうと不安になりました。

そこでHさんは、友人から相続にくわしいFPを紹介してもらい、相談することにしました。

相談したFPからは、遺言書の作成をすすめられ、早速実行することにしました。

FPからは、遺言書には「公正証書遺言書」と「自筆証書遺言書」があること、それぞれの遺言書のメリットとデメリットを説明してもらいました。

検討した結果、Hさんは公正証書遺言書を選びました。

遺産分割の割合は、長男:70%、次男:30%とすることにしました。

Hさんは家族会議を開き、自分の遺産分割に関する想いを長男と次男に説明し、納得してもらいました。

HさんはFPの支援を受けながら、これらの内容および付言事項で「介護への感謝」を明記した公正証書遺言書を作成しました。

何年か過ぎてHさんが亡くなり、相続が発生しました。

Hさんは公正証書遺言書を作成していたため、これに沿って遺産分割が行われました。

遺言書の内容については、家族会議で長男と次男から了承を得ていたため、遺産分割協議をすることなく、相続の手続きが円滑に完了しました。

 👉 ポイント

遺言書の付言事項は、心理的トラブル防止に非常に有効です。

金額以上に「親の意思」が争いを防いでくれます。

2026.3.23.

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相続

【相続対策事例9】自宅しか財産がない

Gさん(70代男性)の相続人は長男と長女の2人でした。

長男はGさんと同居していました。

Gさんの財産は、自宅(土地建物)が3,000万円と預金が300万円ほどでした。

Gさんが自分の相続のことを考え始めると、長男は「このままこの家に住み続けたい」と主張し、長女は「自宅を売って平等に分けてほしい」と主張し、対立が発生してしまいました。

Gさんは2人の言い分を聞き、自宅は「分けられない財産(不動産)」なので、このままでは公平な遺産分割が難しいと頭を悩ませていました。

Gさんとしても、なるべくなら自宅を売りたくないという気持ちがありました。

Gさんは、以前参加した相続セミナーで名刺をもらっていたFPのことを思い出し、早速相談しました。

FPからは生命保険を活用した代償分割を提案され、Gさんはこの提案を実行することにしました。

まず、現在加入している生命保険の死亡保険金受取人をすべて長男に変更しました。

長男はGさんのすべての財産を一旦受け取り、その中から代償交付金として長女に相当額を渡し、自宅は長男が相続することにしました。

Gさんは、自分の財産の分割方法について長男と長女に説明し、了解を得ました。

Gさんは遺言書を作成して、これらの内容を記し、付言事項で分割理由を明記しました。

しばらくしてからGさんの相続が発生し、遺言書にしたがって遺産分割が行われました。

長男は自宅を相続し、長女は長男から代償交付金を受け、長男・長女間での大きな争いを生じることなく解決しました。

👉 ポイント

生命保険は「遺産分割対策の最強ツール」です。

現金を準備できるため、代償分割が可能になります。

2026.3.13.

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相続

【相続対策事例8】生命保険を活用して「節税+円満相続+納税資金確保」

Fさん(60代男性)の相続人は妻と長男・長女の3人でした。

Fさんは税制改正により基礎控除額が減額され、自分には相続税が課税されることを承知していました。

Fさんの相続財産の多くは自宅などの不動産で、現預金はあまり保有していませんでした。

このままでは相続人たちが相続税を支払えないのではないかと心配していました。

不動産を売却することは避け、どうやって相続税の納税資金を捻出すればよいのか悩んでいました。

ある日、過去に参加した相続セミナーのことを思い出し、そこで講師をしていた相続専門のFPに相談してみました。

そのFPの試算によれば、やはりこのままでは相続税の納税資金は不足しそうだとの回答がありました。

相続財産の多くが不動産なので、納税資金を確保するために「生命保険の活用」をアドバイスされました。

生命保険を活用すれば3つのメリットが得られるとのことでした。

①受け取った生命保険金のうち「500万円×法定相続人の数」までの金額が非課税になること(所定の契約要件あり)

②生命保険金の受取人や受取額はあらかじめ指定できるので、工夫することで相続人間のトラブルを防止できること(生命保険金は受取人固有の財産なので、原則として遺産分割協議の対象外)

③保険金請求書類が保険会社に到着後、1週間程度で保険金(現金)を確保できること(金融機関の預金口座は、遺産分割協議書などで、引き継ぐ人が明らかになるまでは凍結される)

FさんはFPからのアドバイスに従い、早速生命保険に加入しました。

数年後にFさんが亡くなり、生命保険金が支払われました。

法定相続人は妻と長男・長女の3人なので、受け取った生命保険金のうち1,500万円(500万円×3人)が非課税となり、相続税を節税することができました。

また、相続財産の多くが分割しにくい不動産でしたが、生命保険金の受取人と受取額をうまく調整し、相続人間のトラブルを防止することもできました。

そして、受け取った生命保険金で相続税の支払いをスムーズに実行することができました。

ポイント】

生命保険は「節税+円満相続+納税資金確保」を同時に実現できる手段です。

2026.2.18.

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相続

【相続対策事例7】小規模宅地等の特例で自宅の評価額を80%減額

Gさん(80代男性)は一人暮らしで、相続人は別居している長男のみでした。

Gさんの財産は、自宅土地・建物と預貯金でした。

自宅は駅から近いため立地条件が良く、土地の評額価が高いと考えられ、Gさんは高額な相続税がかかってくることを心配していました。

もしかしたら相続税を支払うために自宅を売却することになるかもしれないと不安に思い、相続専門のFPに相談しました。

FPからは、自宅の土地については、要件を満たすことができれば「小規模宅地等の特例(居住用宅地:330㎡まで80%減額)」を適用することができ、その結果、評価額を下げることができるとアドバイスされました。

小規模宅地等の特例が適用できるのか、GさんはFPと一緒に税理士に相談しました。

同居要件や申告要件を確認し、相続後も長男が居住を継続するという前提で対策を講じました。

その後Gさんの相続が発生し、相続税の申告・納税が行われました。

小規模宅地等の特例を適用し、自宅の土地の評価額を大幅に下げることができたため、自宅を売却せずに相続することができました。

2026.2.7.

👉 特例は「知っているかどうか」で結果が大きく変わってきます。

特例を適用するための要件について事前確認が不可欠です。

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相続

【相続対策事例6】時間と孫を使った生前贈与で相続税を大幅に減額

Fさん(70代男性)の相続人は2人の子どもです。

Fさんの相続財産は「預貯金・投資信託」で、合計で約9,000万円です。

税制改正により、最近は相続税が課税される人が多くなったことを聞き、Fさんは将来の自分の相続税のことが心配になっていました。

そこでFさんは、知人から紹介された相続専門のFPに相談してみることにしました。

FさんはFPに自分の現状を説明し、相続税について不安があることを伝えました。

FPからは次のような課題を指摘されました。

 ・相続税を計算する際の基礎控除額を大きく超える財産を保有していること

 ・このまま何も対策をしなければ、支払う相続税が高額になるおそれがあること

Fさんは、指摘された課題を解決するには、どうしたら良いかをFPと相談し、次のような対策を実施しました。

 ・毎年110万円の暦年贈与を子2人および孫2人に実施する

  ※暦年贈与では、相続権のない孫などに110万円贈与すれば、相続時の財産への加算がないので節税効果大

 ・贈与契約書を作成し、実態のある贈与を継続する

 ・贈与税の非課税枠を最大限活用する

相続対策を実施した結果、次のような効果を得ることができました。

 ・10年間に渡る贈与で合計4,400万円を移転させることができた

 ・相続財産が圧縮されたことにより、相続税額を対策前から大幅に減額することができた

早めに始めるほど効果が高いのが生前贈与。

 特に相続権のない孫や子の配偶者への贈与が効果的です。

 「思い立った時が一番早い」ということがわかる事例です。

2026.2.2.

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相続

【相続対策事例5】配偶者の税額軽減の特例を活用

Eさん(60代)には妻と2人の子どもがいます。

Eさんは自分の相続のことが気になり、まずは自分の財産について調べてみました。

その結果、「自宅不動産」と「預貯金」があり、自分の計算では合計で5,000万円くらいになるのではないかということがわかりました。

そして「相続税はかかるのか?」「かかるとすればどのくらいになるのか?」という不安を持ち、早速相続専門FPに相談してみました。

EさんはFPに自分の現状を説明し、相続税について不安があることを伝えました。

FPからは次のような問題点を指摘されました。

 ●自宅不動産の評価が高く、相続税が発生する可能性があること

 ●配分を考えずに相続すると、配偶者以外に税負担が集中する恐れがあること

Eさんは、指摘された課題を解決するためには、どのような対策が必要なのかをFPと話し合い、次のような対策を実施しました。

 ●「配偶者の税額軽減の特例(1億6,000万円または法定相続分まで非課税)」を前提に遺産分割を設計する

 ●自宅と預貯金の多くを配偶者が相続するかたちで調整する

 ●将来の二次相続を考慮して、子どもたちが引き継ぐ財産は最低限にする

このような相続対策を実施した結果、次のような効果を得ることができました。

 ●妻の納付する相続税額は0円(配偶者の税額軽減の特例を活用)

 ●夫の死亡後の配偶者の生活資金も十分確保

 ●二次相続まで見据えた遺産分割設計の実現

➡ 「相続税を減らす=財産を減らす」ではなく、遺産分割の工夫により相続税額が大きく変わる事例です。

2026.1.26.

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相続

【相続対策事例4】相続対策を「何もしていなかった」

Dさん(50代女性)の夫は証券会社に営業社員として勤務していました。

Dさんは夫の働き過ぎを心配していましたが、ある日心筋梗塞を発症し、突然死を迎えてしまいました。

予期しない相続の発生で、何をどうすれば良いのか、わかりませんでした。

夫にはどのような財産があるのか、誰がどう財産を引き継ぐのか、相続税はどのくらいかかるのか、わからないことばかりでした。

Dさんは知人に相談したところ、相続専門のFPを紹介してもらい、今後の対応について相談しました。

FPからは次のような対応をアドバイスされました。

●財産調査、相続関係図の作成

●遺産分割協議の実施

●税理士、司法書士などの専門家との連携

結構な手間がかかりましたが、FPのサポートを受けながら着実に対応し、大きなトラブルを回避することができました。

➡ 相続はいつ発生するのかわかりません。相続が起きても困らないように、早めの生前対策の重要性がわかる事例です。

2026.1.9.