相続対策とは? 相続税対策とは?
相続セミナーに参加していただいた方と話していると、相続対策とは節税対策と考えている方がとても多いことを感じます。
相続対策=相続税対策というイメージです。
しかし相続対策と相続税対策は別物です。
相続対策を考えるときには、税金のことだけでなく、相続全体で考えなければなりません。
つまり、相続対策=相続税対策+遺産分割対策+流動性資金対策となります。
相続税対策は相続対策の一部なのです。
このことを理解していない方がとても多いので、セミナーでしっかりとお話するようにしています。
さらに言えば、ここ最近では4つめの相続対策として「認知症対策」がとても重要視されています。
相続税がかかってくる人は確かに増えた
もうひとつ、相続セミナーに参加していただいた方と話していて感じるのは、「相続税の税制が変わって、相続税がかかってくる人が増えたんだよね」と認識されている方が多いことです。
確かにそのとおりです。
もう10年も前になりますが、2015年から相続税を計算する際の基礎控除額が40%引き下げられました。
改正前には相続税が課税される人の割合は、亡くなった人の約22人に1人でした。
ところが2024年には約10人に1人となり、東京都内であれば約3人に1人は相続税が課税されていると言われています。
地価の上昇もあり、東京都内に住んでいると、相続税の課税対象になる人が多いのでしょう。
一般的な家庭では相続税はかからない
相続税の計算においては、いくつかの特例があり、特例を適用することで節税できることができます。
具体的には「配偶者の税額軽減の特例」「小規模宅地等の評価減の特例」などです。
遺産総額が1億円以下の一般的な家庭では、特例を適用すれば、相続税をゼロにできるケースも多いです。
遺産分割や二次相続の問題はありますが、配偶者の税額軽減の特例を適用すると、配偶者が受け取る財産が1億6,000万円以下であれば配偶者には相続税はかかりません。
財産は夫婦で築いてきたものだから、ということなのでしょう。
それにしてもすごい特例ですよね。
遺産分割事件の約80%は遺産価額5,000万円以下で起きている
相続対策でもうひとつ知っておいていただきたいことがあります。
2025年に最高裁判所がまとめた「遺産価額別 遺産分割事件の件数」によれば、遺産分割事件の約80%は遺産価額5,000万円以下で起きているとのことです。
約5件に4件の割合です。
さらには遺産価額1,000万円以下のケースが約35%を占めており、約3件に1件ということになります。
一方で遺産価額1億円超の割合はどうだったかというと、全体の約7%でした。
相続財産が多いからもめるのではなく、少ないからもめることがわかります。
なぜでしょう?
相続財産が多い家庭はもめることがわかっているので、あらかじめ相続対策を行っています。
逆に「わが家はそれほど財産もないし、子どもたちも仲が良いからもめないだろう」という家庭では相続対策を行いません。
そのため「わが家は大丈夫」と思っている家庭こそが危ないのです。
今は仲が良くても、将来のことはわかりません。
源 頼朝と源 義経のようにならないためにも、遺言書を書いておくとか生前にできることはやっておくことが大切です。
2026.8.7.