相続における生命保険の魅力とは
日本人は保険が好きと言われます。
ほとんどの人が何らかの生命保険に加入しています。
ただ残念なことにその勧誘のされ方によっては生命保険のイメージを悪くしています。
でも特に相続においては生命保険はなくてはならないものであり、いくつもの魅力があります。
先入観にとらわれずに、改めて生命保険について見直してほしいと思います。
相続における生命保険の魅力を4つご紹介します。
※ここに示す生命保険とは、亡くなったときに死亡保険金が受け取れる保険を指します。
〈その1〉相続税の納税に備えることができる
所定の要件を満たせば、生命保険から受け取る死亡保険金には非課税の特典があります。
具体的には、受け取った死亡保険金のうち「500万円×法定相続人の数」までの金額は、相続税の計算上、非課税になります。
例えば、死亡保険金を3,000万円受取り、法定相続人が妻と子2人の3人であれば、相続税の計算上は3,000万円が1,500万円(3,000万円-500万円×3)になります。
この特典を活用することで相続税の課税対象額を圧縮することができるので、節税になります。
ただし、非課税になるのは、すべての死亡保険金を合算してこの金額までです。
相談者と話していると、この特典のことを知らない人が結構いることがわかります。
ぜひとも活用してください。
また、相続税の納税資金を現金で確保しておくのはなかなか大変なので、死亡保険金で準備しているという人も多いです。
〈その2〉円満な遺産分割に備えることができる
生命保険から受け取る死亡保険金は「受取人固有の財産」となり、原則として遺産分割協議の対象外です。
「受取人固有の財産」ということは、端的に言えば「相続財産ではない」ということです。
そのため死亡保険金の受取人に指定すれば特定の相続人に確実に資金を渡すことができます。
また、生命保険の契約期間中に受取人や受取額を変更することができます。
なお、もめないためには、死亡保険金以外の財産の分割について、遺留分を考慮する必要があります。
その他、相続財産のほとんどが分割しにくい不動産である場合に、死亡保険金を代償金として活用することがあります。
代償分割といわれています。
一般的な家庭では、相続財産は自宅と現預金というケースが多いです。
相続人が2人以上いれば、必ず遺産分割の問題が発生します。
遺言がなければ法定相続分での遺産分割となりますが、法定相続分割合どおりにきれいに分割することは不可能です。
相続する財産として最も喜ばれる現金を上手く活用して、もめない相続としたいですよね。
生命保険であれば現金を確保できます。
〈その3〉すぐに使えるお金に備えることができる
金融機関は預金口座の名義人が亡くなったことがわかると口座を凍結します。
遺産分割協議書などで、その預金を引く継ぐ者が明らかになるまでは、お金を引き出すことはできません。
とはいえ、人が亡くなると葬儀費用、寺院費用、お墓関連費用などがすぐに必要となります。
その分のお金が確保できていればよいのですが、確保できないないと誰かが立て替えるなどの方法で対処しなければなりません。
亡くなった人の預金をあてにしていても、遺産分割協議が決着するまでは使用することはできません。
さらに言えば、のこされた遺族の当面の生活資金も確保しておく必要があります。
そこで役立つのが生命保険です。
生命保険であれば、保険金請求書類が保険会社に到着してから1週間ほどで死亡保険金を受け取ることができ、現金を確保することができます。
このように人が亡くなった後で、すぐに使えるお金を準備しておくことも忘れてはならないことです。
〈その4〉相続放棄をしても受け取ることができる
そして案外知られていないのですが、生命保険から受け取る死亡保険金は相続放棄をしても受け取ることができます。
プラスの財産よりもマイナスの財産が多いケースなどでは、通常相続放棄を行います。
相続放棄は相続の発生を知ったときから3ヵ月以内に手続きをする必要があり、マイナスの財産だけを放棄するということはできません。
先にも説明しましたが、死亡保険金は「受取人固有の財産」であり、相続財産ではありません。
そのため相続放棄をしても死亡保険金は受け取ることができるのです。
これはすごいことですよね。
ただし注意しなければならないことがあります。
少し複雑な内容になります。
死亡保険金は民法上は相続財産ではないのですが、相続税法上は受け取った死亡保険金はみなし相続財産となり、相続税が課税されます。
なお、非課税の特典(500万円×法定相続人の数)を受けることはできません。
このことも知らない人が多いので確認しておきましょう。
生命保険は相続における最強の金融商品
このように相続においては生命保険にはたくさんの魅力があります。
相続対策に活用する金融商品はいろいろとありますが、私は生命保険は相続における最強の金融商品だと考えています。
特にもめない相続を実現するためにはなくてはならない金融商品です。
多くの方が何らかの生命保険に加入していますが、加入したままになっている方も多いと思います。
「どのような生命保険に加入しているのか」「いざという時に本当に役に立つのか」
今一度加入内容を確認してください。
そして疑問を感じる場合には、専門家に相談して、損をしないよう有効活用してください。
2026.10.29.