遺言書は「自分の財産を、誰に、どれだけ引き継がせるのか」を書面に残したものです。
遺言書を書くことで、法律によってしばられたものではなく、実態に合った財産分けが可能になります。
遺言書を書くことは、将来の心配事を未然に防ぎ、書き終わると気持ちもスッキリとして、安心する効果があると考えられます。
では遺言書を書いた方がいいのはどのような人なのでしょうか?
「このような人には遺言書が必要」ということで、7つあげてみました。
①元気な人 ②財産が少ない人 ③家族仲が良い人 ④子どものいない人
⑤心配事がある人 ⑥海外に子どもがいる人 ⑦相続人がいない人
それぞれについて見てみましょう。
①元気な人
遺言書では、たとえば自分の介護でお世話になった息子の妻など、民法で定められている相続人以外の人にも自分の財産を贈ることができます。
ただし、遺言書は元気でなければ書けません。
歳をとるほど書きにくくなります。
そしてもし自分が認知症になってしまったら、もう書くことはできません。
②財産が少ない人
相続争いは遺産総額5,000万円以下で相続全体の約3/4を占めています。
意外かもしれませんが、実は財産の少ない人の方が相続争いは多いのです。
③家族仲が良い人
たとえ今は、兄弟姉妹の仲が良くても、それぞれが家族をもつと血縁関係はうすくなり、いずれ兄弟姉妹が気まずくなることも考えられます。
今はどんなに仲が良くても、源頼朝と源義経のように、将来は争うことになるかもしれません。
④子どものいない人
子どものいない人の場合、たとえば夫の相続人は妻と兄弟姉妹というケースが多いようです。
妻が夫の通帳から生活費をおろして使っていた場合、夫の相続が始まると、夫の葬儀費用でも兄弟姉妹の承諾がないとおろせなくなります。
しかし、遺言書があれば兄弟姉妹の承諾は不要です。
兄弟姉妹には遺留分(法律上、最低限相続できる相続分)がありません。
そのため自分の相続人が配偶者と兄弟姉妹のみの場合、遺言書で指定することにより、配偶者に全財産を相続させることができます。
⑤心配事がある人
将来が心配な家族がいる場合には、その人の生活を守るために、遺言書を書いておきましょう。
⑥海外に子どもがいる人
財産の分割にあたり遺産分割協議書を作るときに、相続人が海外に住んでいると、書類の取り寄せに手間や時間がかかります。
手続きをスムーズに進めるためにも遺言書を書いておきましょう。
⑦相続人がいない人
相続人がいない人の財産は国庫に帰属します。
遺言書があれば、お世話になった人たちに自分の財産を贈ることで感謝の気持ちを伝えることができます。
自分が納得のいく相続を行うためにも、このような人にはぜひ遺言書を書くことをおすすめします。
2024.6.6