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相続

【相続対策事例6】時間と孫を使った生前贈与で相続税を大幅に減額

Fさん(70代男性)の相続人は2人の子どもです。

Fさんの相続財産は「預貯金・投資信託」で、合計で約9,000万円です。

税制改正により、最近は相続税が課税される人が多くなったことを聞き、Fさんは将来の自分の相続税のことが心配になっていました。

そこでFさんは、知人から紹介された相続専門のFPに相談してみることにしました。

FさんはFPに自分の現状を説明し、相続税について不安があることを伝えました。

FPからは次のような課題を指摘されました。

 ・相続税を計算する際の基礎控除額を大きく超える財産を保有していること

 ・このまま何も対策をしなければ、支払う相続税が高額になるおそれがあること

Fさんは、指摘された課題を解決するには、どうしたら良いかをFPと相談し、次のような対策を実施しました。

 ・毎年110万円の暦年贈与を子2人および孫2人に実施する

  ※暦年贈与では、相続権のない孫などに110万円贈与すれば、相続時の財産への加算がないので節税効果大

 ・贈与契約書を作成し、実態のある贈与を継続する

 ・贈与税の非課税枠を最大限活用する

相続対策を実施した結果、次のような効果を得ることができました。

 ・10年間に渡る贈与で合計4,400万円を移転させることができた

 ・相続財産が圧縮されたことにより、相続税額を対策前から大幅に減額することができた

➡早めに始めるほど効果が高いのが生前贈与。

 特に相続権のない孫や子の配偶者への贈与が効果的です。

 「思い立った時が一番早い」ということがわかる事例です。

2026.2.2.

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相続

【相続対策事例5】配偶者の税額軽減の特例を活用

Eさん(60代)には妻と2人の子どもがいます。

Eさんは自分の相続のことが気になり、まずは自分の財産について調べてみました。

その結果、「自宅不動産」と「預貯金」があり、自分の計算では合計で5,000万円くらいになるのではないかということがわかりました。

そして「相続税はかかるのか?」「かかるとすればどのくらいになるのか?」という不安を持ち、早速相続専門FPに相談してみました。

EさんはFPに自分の現状を説明し、相続税について不安があることを伝えました。

FPからは次のような問題点を指摘されました。

 ●自宅不動産の評価が高く、相続税が発生する可能性があること

 ●配分を考えずに相続すると、配偶者以外に税負担が集中する恐れがあること

Eさんは、指摘された課題を解決するためには、どのような対策が必要なのかをFPと話し合い、次のような対策を実施しました。

 ●「配偶者の税額軽減の特例(1億6,000万円または法定相続分まで非課税)」を前提に遺産分割を設計する

 ●自宅と預貯金の多くを配偶者が相続するかたちで調整する

 ●将来の二次相続を考慮して、子どもたちが引き継ぐ財産は最低限にする

このような相続対策を実施した結果、次のような効果を得ることができました。

 ●妻の納付する相続税額は0円(配偶者の税額軽減の特例を活用)

 ●夫の死亡後の配偶者の生活資金も十分確保

 ●二次相続まで見据えた遺産分割設計の実現

➡ 「相続税を減らす=財産を減らす」ではなく、遺産分割の工夫により相続税額が大きく変わる事例です。

2026.1.26.

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相続

【相続対策事例4】相続対策を「何もしていなかった」

Dさん(50代女性)の夫は証券会社に営業社員として勤務していました。

Dさんは夫の働き過ぎを心配していましたが、ある日心筋梗塞を発症し、突然死を迎えてしまいました。

予期しない相続の発生で、何をどうすれば良いのか、わかりませんでした。

夫にはどのような財産があるのか、誰がどう財産を引き継ぐのか、相続税はどのくらいかかるのか、わからないことばかりでした。

Dさんは知人に相談したところ、相続専門のFPを紹介してもらい、今後の対応について相談しました。

FPからは次のような対応をアドバイスされました。

●財産調査、相続関係図の作成

●遺産分割協議の実施

●税理士、司法書士などの専門家との連携

結構な手間がかかりましたが、FPのサポートを受けながら着実に対応し、大きなトラブルを回避することができました。

➡ 相続はいつ発生するのかわかりません。相続が起きても困らないように、早めの生前対策の重要性がわかる事例です。

2026.1.9.

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相続

【相続対策事例3】認知症になってしまったときの不安

Cさん(80代女性)は、友人が認知症になり、自分の意思で財産の管理や相続対策などを行うことができなくなってしまい、家族が大変な思いをしていることを知りました。

そして「もしかしたら、私も突然認知症になってしまうかもしれない?」という不安を抱えていました。

認知症になると、預金の引出し、不動産の売却、保険・証券の解約、生前贈与(相続対策)など、ほとんどのことが自分ではできなくなります。

自分ではまとまったお金が動かせないので、介護費や生活費に困ります。

また、家族も親のお金が動かせないので、代わりに支払いが発生することになります。

そこで、家族に迷惑をかけないようにするために、次のような生前対策を行いました。

・任意後見契約

・財産管理委任契約

・公正証書遺言の作成

結果、判断能力が低下しても財産管理が継続可能となり、相続時の手続きもスムーズに進めることができるようになったので、家族の精神的・実務的負担を軽減することができました。

➡相続対策は、自分にもしものときのことを考え、元気なうちに準備しておくべきこと、ということがわかる事例です。

2025/12/29

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相続

【相続対策事例2】うちは仲がいいから大丈夫

Bさん(80代女性)には、二人の息子さんがいました。

長男は実家で同居、次男は結婚して別居、財産の大半は自宅不動産です。

Bさんは「うちは兄弟仲がいいから、揉めることはないと思います」と思っていました。

しかし、ていねいに現状を整理していくと、次のような価値観の違いが見えてきました。

●長男は「親の面倒を見てきた」という思い

●次男は「公平に分けてもらいたい」という思い

そこでBさんは次のような対策を行いました。

・家族全員での話し合い

・財産内容を“見える化”

・公正証書遺言の作成

・生命保険を使った代償分割の準備

結果、誰が何を相続するかが明確になり、不満が「争い」になる前に解消することができ、親の想いを形として残すことができました。

➡ 相続は「お金の問題」であると同時に、「感情の問題」でもあることがよく分かる事例です。

2025.12.25.

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相続

【相続対策事例1】「相続税が払えないかもしれない」と初めて気づいた

Aさん(70代男性)は、「自分は特別なお金持ちではないから、相続税は関係ない」と思っていました。
なお、Aさんの財産の内訳は、次のとおりでした。

・自宅の土地と建物

・長年経営してきた賃貸アパート

・預貯金が少し

相続税の簡易シミュレーションを行ったところ、想定以上の相続税額が算出されました。

問題は「納税資金」。Aさんの財産の多くは不動産で、現金はそれほど多くありませんでした。

「この税金、どうやって払えばいいのだろうか…」

そこで、相続専門FPに相談し、次の対策をサポートを受けながら数年かけて進めました。

・小規模宅地等の特例が使えるか

・生命保険を活用して非課税枠を確保

・生前贈与を計画的に実行

結果、相続税額を大幅に圧縮することができ、納税資金も事前に確保することができました。

これで家族も安心して相続を迎えられる状態になりました。

➡ 相続税がかかることをもっと早くに知っていれば、無駄に不安にならずに済んだ事例です。

2025.12.18.

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相続

相続対策としての生前贈与|制度の仕組みと失敗しないためのポイント

相続対策を考える人の間では今、「生前贈与」への関心が高まっています。

背景には、相続税の課税対象者が増えていること、そして「自分の想いをきちんと形にして家族に引き継ぎたい」という意識の変化があります。

また、2024年から相続税・贈与税の制度が見直され、「暦年課税」や「相続時精算課税」の活用の仕方が変化しました。

これにより、生前贈与をどう設計するかが、今後の相続対策の成否を左右するポイントになっています。

生前贈与についてやさしくまとめましたので、相続対策に有効活用してください。

●生前贈与の基本:制度の特徴や注意点

生前贈与とは、生きている間に、家族などに自分の財産を渡すことをいいます。

相続が発生する前に贈与を行うことで、相続財産を減らすことができ、結果的に相続税の負担を軽減できる効果があります。

生前贈与にはいくつかの制度があります。

それぞれの特徴や注意点についてまとめましたので把握しておきましょう。

   制度名   内 容 主なメリット   注意点
暦年課税制度年間110万円までの贈与が非課税手軽で自由度が高い名義預金に注意
相続時精算課税制度最大2,500万円まで非課税で贈与可(相続時に精算)大きな贈与が可能将来の相続税に影響
教育資金贈与30歳未満の子や孫へ教育資金一括贈与節税と教育支援を両立使途制限・報告が必要
住宅取得資金贈与18歳以上の子や孫へ住宅資金援助家族支援として有効建物・登記要件に注意
結婚・子育て資金贈与18歳以上50歳未満の子や孫へ結婚・子育て資金援助家族支援として有効使途制限・報告が必要

制度を選ぶ際は、「何のために贈与するのか(目的)」を明確にすることが大切です。

節税を意識するあまり、目的があいまいなまま進めると、後々トラブルや税務上の否認を受けることもあるので、注意しましょう。

●よくある失敗・誤解に注意

生前贈与は、一見シンプルな制度に見えても、実務では多くの落とし穴があります。

ここでは、FPとして相談を受けている中で特に多いトラブル例を紹介します。

・名義預金になっている

受贈者である子どもや孫の名義で口座を作ったが、実際は贈与者である親や祖父母が入出金を管理している。

この場合「実質的に贈与が成立していない」と判断され、税務上否認されることがあります。

・贈与契約書を作っていない

口頭で約束しただけでは「贈与した」と証明できません。

税務署に否認されないためにも、贈与契約書を作成して、証跡を残しておく必要があります。

・毎年同じ金額を定期的に贈与

毎年同じ金額を、同じ時期に渡していると、「定期贈与」とみなされる可能性があります。

定期贈与とは、あらかじめ総額が決まっているものを、税負担を逃れるために、わざと小口に分割して贈与していることです。

・税務申告をしていない

贈与税の非課税枠内であっても、あえて申告し、贈与したことの証拠を残すと有効です。

●効果的な生前贈与の進め方

相続対策として生前贈与を効果的に活用するためのポイントをまとめました。

ポイント1 目的を明確にする

教育資金、住宅資金、結婚・子育て資金など、「何のために贈与するのか」をはっきりさせましょう。

ポイント2 贈与契約書を作成する

内容としては、日付・金額・贈与の理由を記した簡単なもので構いません。

印鑑を押し、双方で保管しておくことが大切です。

ポイント3 銀行振込で贈与する

現金を手渡しするよりも、振込履歴をきちんと残せる方法がおすすめです。

ポイント4 家族間で情報を共有する

生前贈与を実行する前に、「なぜこの人に贈与するのか」を家族で話し合っておけば、将来の誤解や不公平感を防ぐことができます。

ポイント5 専門家と一緒に設計する

贈与は相続全体の中での位置づけがとても大切です。

税理士やFPと一緒に、相続時のシミュレーションを行いながら実行すると安心です。

●2024年以降の税制改正と注意点

2024年以降、生前贈与を取り巻く制度は次のように変わりました。

・暦年課税の持ち戻し期間が3年→7年に延長

相続開始前7年以内の贈与は、相続財産に加算されるようになりました。

なお経過措置があるため、持ち戻し期間は段階的に引き上げられ、実際に7年以内の贈与が加算されるのは2031年以降に亡くなった人からです。

・相続時精算課税でも年間110万円の非課税枠を新設

毎年110万円までは非課税で、贈与時も相続時も申告の必要がないため、少額贈与を組み合わせた柔軟な設計が可能になりました。

・両制度の使い分けがより重要に

短期的な贈与なら暦年課税、まとまった資産移転なら相続時精算課税というように計画的な選択が求められます。

特に相続時精算課税を選択すると暦年課税には戻せないので注意が必要です。

●まとめ

以上、相続対策として生前贈与を活用する際の、制度の仕組みと失敗しないためのポイントについて解説しました。

生前贈与は、単なる節税テクニックではなく、「家族への想い」をかたちにする手段です。

しっかりと制度の仕組みを理解し、証跡を残し、家族間で話し合うことで、「揉めない相続」「安心できる老後」を実現することができます。

相続はいつ起きるのかわかりません。

将来の不安を減らす第一歩として、生前贈与の計画を始めてみてはいかがでしょうか。

2025.11.10.

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生命保険

相続放棄しても生命保険金は受け取れる?重要な注意点も合わせて解説

「相続放棄をしたら、生命保険金も受け取れないのでは?」

結論から言うと、受け取ることが可能です。

なぜなら、生命保険金は法律上「受取人固有の財産」とされ、相続財産には含まれないからです。

ただし、おさえておかなければならない重要な注意点もあります。

生命保険金と相続放棄の関係をやさしく解説します。

●相続放棄とは?

相続放棄とは、亡くなった人(被相続人)の財産・債務を一切引き継がないという法的手続きです。

家庭裁判所に申述することで成立し、相続放棄をした人は、最初から相続人でなかったものとみなされます。

・手続き期限:相続開始を知った日から3か月以内

・効力:プラスの財産もマイナスの財産(借金など)も受け継がない

財産の相続を「一部だけ放棄する」といった選択はできません。

では、生命保険金はどうなるのでしょうか。

●生命保険金は「受取人固有の財産」

生命保険契約は、「契約者」「被保険者」「保険金受取人」で構成されています。

このうち、保険金受取人が明確に指定されている場合、その保険金は受取人固有の財産とみなされ、相続財産とは切り離されます。

そのため原則として遺産分割協議の対象外となります。

●相続放棄をしても生命保険金は受け取れる

以下の条件を満たせば、相続放棄しても生命保険金を受け取ることができます。

・保険金受取人が特定の人物(妻・長男など)として明記されている

・保険料を被相続人(亡くなった方)が負担していた

・保険金受取人が契約上、保険金を受け取る権利を持っている

この場合、生命保険金は「死亡によって保険金受取人に直接帰属する財産」となります。

つまり、相続放棄しても生命保険金の受け取りが認められるのです。

FPとして現場でよく見るのは、「契約者(保険料負担者)・被保険者=夫、保険金受取人=妻」というケースです。

この場合、妻が相続放棄をしても、生命保険金は相続財産にはならないため、受け取ることができます。

●「法的な取扱い」と「税務上の取扱い」を分けて考える必要がある

相続放棄をしても生命保険金を受け取ることができるのですが、「法的な取扱い」と「税務上の取扱い」が異なることに注意が必要です。

多くの人がよく誤解をしてしまう重要なポイントなので、しっかりとおさえてください。

民法上では、生命保険金は「本来の相続財産」ではなく、「受取人固有の財産」となるため、相続放棄をしても受け取ることができます。

ただし、受け取った生命保険金は、相続税法上は「みなし相続財産」となり、相続税の課税対象となります。

なお、生命保険金には非課税の特典があります。

この特典を適用すれば、受け取った生命保険金のうち「500万円×法定相続人の数」までの金額は非課税となります。

相続放棄をして生命保険金を受け取ると、非課税の特典はあるものの、相続税の課税対象になるということに注意しましょう。

●FPが伝えたい実務上のポイント

・「相続放棄=生命保険金も放棄」とはならない

・生命保険の契約時には保険金受取人の指定方法を確認する

・生命保険金は、相続税法上「みなし相続財産」として課税対象になる(非課税額あり:500万円×法定相続人の数)

FPとして特に強調したいのは、「法的な取扱い」と「税務上の取扱い」は異なるということです。

受け取れるからといって、課税されないとは限りません。

ここを整理しておくと、相続後のトラブルを防ぐことができます。

●まとめ

以上、相続放棄と生命保険金について、重要な注意点と合わせて解説しました。

生命保険金は、相続放棄をしても受け取ることができます。

ただし、税務上は「みなし相続財産」となるため、相続税が課税される可能性があることに注意が必要です。

2025.10.9

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生命保険

二次相続対策に有効な生命保険活用法

相続対策というと「一次相続」での税負担軽減ばかりに目が向きがちですが、実は本当に注意すべきは「二次相続」です。

一次相続では「配偶者の税額軽減の特例」により相続税の負担を大きく減らせるものの、その特例は二次相続では使えません。

そのため、「二次相続での税負担が想定以上に重くなる」というケースが少なくありません。そこで有効な対策のひとつが「生命保険」の活用です。

二次相続対策における生命保険の役割と具体的な活用方法について解説します。

最後まで読んでいただければ、二次相続対策の打ち手が見つかります。

●二次相続の基本

相続は、最初に亡くなった配偶者の財産を引き継ぐ「一次相続」と、その後もう一方の配偶者が亡くなったときに発生する「二次相続」に分けて考える必要があります。

一次相続では「配偶者の税額軽減の特例」により、配偶者が多くの財産を相続しても、相続税は大幅に軽減されます。

しかし、二次相続ではこの特例を使うことができず、さらに相続人の数も減るため、基礎控除額も小さくなります。

その結果、一次相続よりも二次相続の方が相続税の負担が大きくなるケースが多いのです。

●二次相続で生命保険が役に立つ理由

生命保険は、二次相続のリスクに備えるために非常に有効な手段です。

その理由として次のことがあげられます。

死亡保険金の非課税の特典がある

相続税の計算において、受け取った死亡保険金のうち、「500万円 × 法定相続人の数」までの金額には相続税がかからないという特典があります。

この特例は一次相続だけでなく、二次相続でも適用することができます。

現預金で持っていれば全額が相続税の対象になります。

たとえば一時払終身保険に加入して、まとまった現預金を生命保険にすれば、相続財産である現預金を減らすことができます。

そして受け取る死亡保険金には非課税の特典が適用されるため、税負担の軽減につながります(所定の要件あり)。

相続税の納税資金を確保できる

死亡保険金は、請求後1週間程度で速やかに現金で支払われます。

相続財産のほとんどが不動産ということがあります。

不増産は簡単に売却することができず、また現預金が少ないという場合であっても、受け取った死亡保険金で相続税納税資金を確保することができます。

死亡保険金受取人に指定すれば、特定の相続人に確実に資金を渡すことができる

死亡保険金は受取人固有の財産であり、原則として遺産分割協議の対象外となります。

そのため、死亡保険金受取人を子ども世代に指定すれば、子ども世代に確実に資金を渡せます。

これにより二次相続まで含めた対策を行うことができます。

また、公平な遺産分割や代償分割にも活用することができます。

遺産分割手段として有効である

不動産など分割しにくい資産を相続する場合、遺産分割がなかなかまとまらないことが多いです。

そこで死亡保険金を活用し、受取人や受取額を調整することで、遺産分割の一助になるのも大きなメリットです。

なお、死亡保険金受取人や受取額は、契約の途中で変更することもできます。

●二次相続対策における生命保険の活用方法

二次相続を見据えた生命保険活用には、いくつかのポイントがあります。

このうち代表的なものを紹介します。

死亡保険金受取人を子どもに設定する

通常、一次相続では配偶者を死亡保険金受取人にすることが多いです。

しかし、二次相続まで考慮すると、子どもを死亡保険金受取人に指定するのが有効です。

なぜなら、配偶者には税額軽減の特例があり、配偶者が取得した財産のうち、「1億6,000万円」または「配偶者の法定相続分相当額」のうち、いずれか多い金額までは相続税がかからないからです。

この特例は、かなりの税負担軽減効果がありますが、二次相続では、使うことができません。

一次相続では、二次相続も考慮して、死亡保険金受取人を決めることが大切です。

一時払終身保険の活用

相続対策には一時払終身保険を活用することが多いです。

まとまった資金を一時払で終身保険に組み替えることにより、相続財産を減らし、一生涯の保障を確保しながら、資産を死亡保険金として相続人に渡すことができるからです。

ただし、まとまった資金が手元からなくなるので、老後生活資金を考慮して実行の判断をする必要があります。

シミュレーションの重要性

一次相続と二次相続について、それぞれどのくらいの相続税がかかるのかをシミュレーションしてみることが大切です。

一次相続では配偶者の税額軽減の特例が使えますが、二次相続では使えません。

さらに、二次相続では一次相続よりも相続人の数が減るため基礎控除額が減少します。

二次相続の方が税負担が厳しくなることが予想されます。

そのため、二次相続までふまえて、誰に、どれだけの財産を相続させるのが適策なのかを十分に検討する必要があります。

シミュレーションにあたっては、FPや税理士などの専門家の力を借りるとよいでしょう。

兄弟姉妹間の公平性確保

二次相続では親がいないため、子どもたちだけで遺産分割をまとめなければなりません。

親の財産を円満に遺産分割ができるように、兄弟姉妹間で公平性を確保する必要があります。

生命保険を活用すれば、長男が自宅を相続する代わりに、二男には死亡保険金を渡すなど、兄弟間の公平性を保つことができます。

兄弟姉妹が多い場合には、死亡保険金の受取額を調整することで、公平性を保つための一助となります。

●注意点・デメリット

生命保険を使った二次相続対策には注意点・デメリットがあります。

確認しておきましょう。

・高齢になってからの生命保険の加入は保険料が高額になる

・死亡保険金受取人を孫にすると贈与税がかかるリスクがある

・保険金額が過大であると資産圧縮効果が薄れる

・商品によってコストや保障内容が異なるため、慎重な選択が必要

●まとめ

以上、二次相続対策における生命保険の役割と具体的な活用方法について解説しました。

二次相続では、一次相続で使えた特例が使えなくなるなど、相続税の負担が重くなるケースが多いため、事前の対策が欠かせません。

生命保険は「死亡保険金の非課税の特典」「公平な遺産分割」「相続税納税資金の確保」に役立つ強力なツールです。

一次相続だけで安心せず、二次相続まで見据えて専門家(FPや税理士など)に相談し、最適な生命保険の活用を検討しましょう。

2025.9.22

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生命保険

相続対策に効く!贈与と生命保険を組み合わせた活用法

相続対策を考える際、多くの人が「生前贈与」や「生命保険」の活用を検討します。

実は、この2つを組み合わせることで、相続税の負担を抑えつつスムーズに財産を承継できる可能性が広がるのです。

「相続対策における、贈与と生命保険を組み合わせた活用法」についてやさしく解説しました。

最後まで読んでいただければ、相続対策のお役に立てる内容です。

●相続対策における贈与の基本

贈与とは、贈与者と受贈者の間で、「あげる」「もらう」という契約を締結して、物などが無償で移転することです。

贈与のうち、贈与者が生きているうちに、家族などの受贈者に財産を継承するのが「生前贈与」です。

生前贈与は相続対策の王道といわれています。

なぜなら、生きているうちに財産の一部を家族などに贈与して、相続財産を減らしておけば、相続税がかからなくなるか、負担を軽減することができるからです。

生前贈与で非課税となる方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税制度」の2種類があります。

暦年課税

年間110万円までの基礎控除があります。

毎年コツコツと贈与することで相続財産を計画的に減らすことができ、相続税の負担を軽減することができます。

ただし、贈与契約書を作成しなければならないなど、贈与として認められるための対応が必要です。

相続時精算課税制度

相続時精算課税制度では、最終的には相続税で精算されますが、贈与税の課税対象となる財産のうち、年間110万円の基礎控除を除いた累計2,500万円まで贈与税がかかりません(2,500万円を超えた分には20%の贈与税がかかります)。

なお、この制度を一度選択すると暦年課税に戻すことはできませんので注意が必要です。

●贈与と生命保険の組み合わせ方

贈与と生命保険をうまく組み合わせることで、より効果的な相続対策が可能になります。

たとえば次のような流れになります。

  1. 親が子どもに資金を贈与する
  2. その資金を使って、子ども(契約者・保険料負担者)が親(被保険者)の生命保険に加入する
  3. 親の死亡時に子どもが保険金を受け取る

この場合の契約形態は、契約者=子ども、被保険者=親、死亡保険金受取人=子どもとなり、子どもが受け取った死亡保険金には一時所得として所得税・住民税が課税されます。

相続税の非課税の特典(500万円×法定相続人の数)は適用することはできません。

なお、課税される一時所得の金額は次のように計算します。

課税される金額=(死亡保険金-支払った保険料-特別控除額50万円)÷2

たとえば、一時払終身保険に加入した場合、高齢者であれば死亡保険金と支払った保険料との差額が少なく、さらに特別控除額50万円を控除すれば、課税される金額がゼロになることが十分に考えられます。

まとまった資金の贈与により相続財産を大きく減らすことができ、子どもは死亡保険金を受け取ることで資産を継承し、また相続税の納税資金を確保することができます。

●贈与×生命保険のメリット

相続対策として、贈与と生命保険を組み合わせて活用するメリットについてまとめてみました。

・相続財産を減らしつつ、将来の保障を準備できる

・死亡保険金に一時所得の課税の特典を活用できる

・死亡保険金受取人を指定できるため「争族」防止に有効

・速やかに現金化できるため、遺族の生活資金や相続税の納税資金を確保できる

●注意点・デメリット

メリットと合わせて注意点やデメリットについても確認しておきましょう。

・契約形態を誤ると「贈与税」「相続税」の二重課税になるリスクがある

・健康状態によっては生命保険の加入が難しいことがある(加入できても保険料が割増になったり、保険金支払いに条件が付くことがある)

・保険料を一括で支払う場合、多額の資金が必要となり、手元の資金がなくなる恐れがある

・保険料贈与においては、贈与事実の心証が得られないと、税務署から贈与を否認される恐れがある

・相続人への贈与では、相続税の計算において、贈与した財産が相続財産に持ち戻されるので注意が必要

●まとめ

以上、「相続対策における、贈与と生命保険を組み合わせた活用法」について解説しました。

贈与と生命保険は、それぞれ単独でも相続対策として有効ですが、2つを組み合わせることでより大きな効果を発揮します。

ただし、契約形態や課税関係の理解を誤ると、逆に税負担が増える恐れもあります。

実行にあたっては、必ず専門家(FPや税理士など)に相談しながら最適なプランを検討することが大切です。

2025.9.17