4月16日(水)の新聞にこのような見出しがあった。
【記事の概要】
損害保険会社が保険代理店への出向者数を大幅に減らしている。
大手4社で2024年3月末には約1,700人いた出向者が、2025年4月1日時点で約450人となり7割減少した。
その背景には、一連の不祥事をうけて、2024年9月に日本損害保険協会が損害保険会社と代理店との関係についての指針を策定し、営業目的の派遣は認められなくなったことがある。
【ひとり言】
火災保険や自動車保険など損害保険の9割は代理店を通じて契約されている。
保険専業の代理店もいるが、多くは本業の関連業務として損害保険を取り扱っている兼業代理店である。
そのため保険のスキルが十分ではなく、これを補完するために損害保険会社から出向者を受け入れている。
保険に携わる人材の育成やコンプライアンス体制の整備のためにということであるが、実態はそんなことはない。
本来であれば代理店自身が行わなければならない業務を出向者が代行し、その見返りとして保険契約をもらっている。
どこにでもあったこの古くからの慣習にメスが入り、営業目的の派遣は認められなくなったということだ。
今後は代理店を自走させるために、出向してきた損害保険会社社員が面倒を見るということになるわけだが、果たして期待する効果を出せるのか?
そもそも代理店が自走できていることをどうやって評価するのか?
指針は定められたものの、結局はこれまでと同様に、出向してきた損害保険会社社員が代行しているということになってしまうのではないか?
代理店への出向者にかかわらず、損害保険会社の営業社員の役割は代理店の代行にあるのが実態ではないかと思う。
営業社員の関与の度合いによって代理店手数料を変動させるようなしくみでも作らないと指針の目指すゴールにはなかなか到達できないと思う。
2025.4.16